ビジネスシーンでのスーツ姿は、印象を左右する重要な要素の一つです。
しかし、スーツにテカリが出てしまうと、清潔感を損ねてしまうこともありますよね。
この記事では、そのテカリの原因と起こりやすい箇所について詳しく解説します。
事前の知識があれば、問題が起こる前に対策が可能となるのです。
また、既にテカリが発生してしまったスーツに対して、自宅でできる対処法も紹介します。
スーツの着回し方やブラッシングの頻度、保管の仕方など、日常的な行動一つ一つが大切であることを理解し、賢いケアを実践しましょう。
スーツのテカリに悩んでいる方は、ぜひこの記事を参考にして、スーツの美しさを保ちましょう。
スーツのテカリの原因と起きやすい箇所
スーツはビジネスシーンに欠かせないアイテムですが、使い込んでいくうちに気になるのが「テカリ」です。
何も知らないまま使っていると驚くほど早くテカリが生じてしまいます。
その原因と起きやすい箇所を知り、スーツを長持ちさせるメンテナンス方法を学びましょう。
テカリの原因は摩擦による圧力
テカリとは、スーツ素材の繊維が摩擦や圧力によって平らになってしまい、光が反射しやすくなった状態のことを言います。
では、どのようにしてスーツはテカリを起こすのでしょうか。その答えは「摩擦」にあります。
長時間着用しているスーツは、動きに合わせて少なからず摩擦を経験します。
歩く、座る、立つといった日常的な動作だけでなく、カバンの中に入れたり、クローゼットで他の洋服と並べたりすることでも摩擦が生じます。
そして、その摩擦がスーツの繊維に圧力を与え、テカリの原因となるのです。
もちろん、スーツの素材や製法によってもテカリやすさは異なります。
一般に、ウール(特に細い繊維のもの)やポリエステルなどの合成繊維を主成分とするスーツはテカリやすいと言われています。
したがって、テカリを防ぐためにはスーツの扱い方が非常に重要です。
無理な力を加えない、折りたたんで保管しない、乱暴に扱わないなど、上質な衣料品としてのスーツに対する敬意を常に持つことが必要です。
テカリが起きやすい箇所
テカリが起きやすい箇所と言えば、「肘」、「膝」、「お尻」の部分が特に注意が必要です。
これらの部分は、日常生活で非常によく使う場所なので、体の動きによる摩擦が集中しやすくなります。
特に、デスクワークが多いお仕事の方は「肘」の部分に注意が必要です。
机に肘をつくことが多いと、スーツが机と接触し続け、摩擦が生じます。この摩擦が繰り返されることで、肘部分が平坦になり、テカリを引き起こすことがあります。
また、「膝」や「お尻」の部分も見逃せません。
立ったり座ったりする動作は日々繰り返されます。その度にこの部分にストレスがかかり、時間と共にテカリが生じやすくなります。
これらの箇所は、テカリが発生しやすいだけでなく、一度テカリが生じてしまうと修復が難しい箇所でもあります。
そのため、これらの箇所を中心に、日頃からスーツのお手入れに気をつけることが大切です。
また、テカリが生じたスーツは見た目が悪くなるだけでなく、その部分の強度も落ちてしまい、穴があく原因にもなります。
スーツを長持ちさせるためにも、防げるテカリは防ぎたいものですね。
自宅でできるスーツのテカリ対処法
スチームアイロンを使う
スチームアイロンは、スーツのテカリを解消するための一つの方法です。
スチームを当てると生地の繊維がふくらむので、テカリ問題にも有効なんですよ。
まずスチームアイロンを用意します。
スチームアイロンは、スチーム量を調節できるものを選びましょう。スチーム量を調節することで、生地を傷つけないようにすることができます。
アイロンが温まったら、テカっている部分に軽く押し当てます。
その時、アイロンを直接生地に当てると生地が傷む可能性があるので、あて布を当てて行います。
アイロンを当てすぎると、テカリが逆に目立ってしまう可能性がありますので注意です💦
アイロンをかけた後、ブラッシングで仕上げると、繊維が整いさらにテカリが抑えられます。
使用後はアイロンを冷まし、服もしっかり乾かしましょう。
ブラッシングする
光沢が出てしまったスーツに対する対策法として、ブラッシングも有効です。
洋服専用の柔らかいブラシで優しくこすることで、寝てしまった繊維が立ち上がり、凹凸が復活します。
ブラッシングを定期的に行うことで、スーツが元々持っている美しい光沢を保つことができます。
スーツのケアに適したブラシは、動物の毛を使用したものが多く、主に豚毛、馬毛、やぎ毛などがよく使われています。
その中でも馬毛ブラシは適度な硬さがあり、スーツの汚れを落とすのに最適です。
馬毛ブラシは1本持っておくと便利ですよ♪
やり方は簡単。
まずブラシをよく振ってホコリを落としましょう。ブラシにホコリがついていると、生地を傷つけてしまう可能性があるので、キレイにしてからブラッシングを行います。
スーツをハンガーに掛け、生地の織目に沿って上から下へ馬毛ブラシを優しくなでます。
この時、光沢が出てしまった部分を重点的にブラッシングしましょう。
このブラッシングを行うことで、スーツの生地が持つ本来の質感を取り戻し、テカリの防止にもつながります。
また、防虫効果もあるため、スーツの長持ちにも効果的です。
メラミンスポンジで軽くこする
次に紹介するのはメラミンスポンジを使った方法です。
スーツのテカリ部分をメラミンスポンジで軽くこすることで、光沢を抑えることが可能です。
メラミンスポンジは細かい泡ができる特殊なスポンジで、これがスーツの表面を優しくこすることでテカリを和らげます。
メラミンスポンジを使う際は、繊維が傷ついてしまう可能性があるためこするときに力を入れすぎないように注意してください。
具体的な手順は、以下のとおりです。
- メラミンスポンジを水でたっぷりと濡らす
- 水が垂れてこない程度に軽く絞る
- テカリ部分を、メラミンスポンジで軽くこする
※テカリがひどい場合は、何度かこすり直しましょう。 - メラミンスポンジでこした部分を、ブラッシングする
メラミンスポンジは摩擦で消耗する性質がありますので、使用後は適度に交換してください。
使用を続けると、研磨剤が摩耗して効果が低下します。
アンモニア水またはお酢を使う
それでは最後に、アンモニア水またはお酢を使ったテカリ取りの方法について説明します。
アンモニア水やお酢は繊維の膨張作用があるため、テカリを軽減させることができます。
アンモニア水やお酢は臭いがきついので、必ず換気をしながら行ってくださいね。
まずスーツを平らに広げ、テカリ部分にアンモニア水またはお酢を霧吹きに入れて吹き付けていきます。
霧吹きがない場合は布に適量を含ませてからスーツに当て、軽く押さえるように塗り付けていってもOK。
その後、臭いを感じなくなるまでアイロンをかけていきます。
アイロン後はブラッシングをして、陰干しでスーツ全体をしっかりと乾燥させていきます。
スーツのテカリを防ぐための3つのポイント
スーツがテカつくと、それだけで清潔さやきちんと感が失われ、全体的な印象が下がってしまいます。
そこで、スーツのテカリを防ぐための3つのポイントを紹介します。
これらのポイントを押さえて、いつでも清潔感溢れるスーツ姿をキープしましょう。
スーツは3着以上で着回す
ここでは、スーツのテカリを防ぐための最初のポイントとして「スーツは3着以上で着回す」という考え方をお伝えします。
スーツがテカリやすい原因は、使用したスーツをお手入れせずにすぐクローゼットにしまってしまうことです。
使用後のスーツには体から出る汗や皮脂が付着し、そのまましまってしまうとその汗や皮脂が酸化することでテカリを引き起こします。
スーツは3着以上を持ち、ローテーションで着用することで使用頻度を下げ、スーツに休息を与えることが可能です。
3着以上で着回すことで、一つ一つのスーツが有するリフレッシュ時間が増え、結果的にスーツのテカリを防ぐことが可能になります。
色違いで3着揃えるのもおすすめです。きちんと管理をすれば、スーツも長持ちします。
毎日ブラッシングを行う
スーツのテカリを防ぐ次のポイントは、「毎日ブラッシングを行う」ことです。
ここでいうブラッシングとは、スーツ専用のブラシを使って皮脂や汗、ホコリなどを取り除くことを指します。
これによりスーツ表面に付着した汚れを除去し、スーツ本来の美しさを保つことができます。
ポイントはブラッシングを行うタイミングと手順です。
ブラッシングはスーツを着用した後、すぐに行うことが理想的です。
脱ぎっぱなしにせず、すぐにブラッシングするクセをつけましょう。
汗や皮脂が固着する前に取り除くことで、スーツがテカリにくくなります。
ブラッシングの手順としては、まずブラシをスーツの上から下へと逆戻りしないよう一方向に滑らせます。
片方から順番に行い、裾から襟元へと進めていきましょう。
保管するときにクローゼットに詰め込み過ぎない
最後のポイントは「保管するときにクローゼットに詰め込み過ぎない」ということです。スーツの長持ちにとっても重要な要素です。
スーツは1着ずつハンガーにかけ、風通しが良い場所に保管することが理想的です。
つまり、スーツを密閉した状態で保管するとなかなか乾燥せず、湿気がこもりやすくなってしまうため、スーツにヨレやテカリを引き起こす可能性があります。
スーツをハンガーに掛ける際は、肩のくぼみを確実にハンガーの肩部分に合わせるようにしましょう。
これにより、スーツの形状をしっかりと保りながら保管することができます。
特にスーツは肩の部分が崩れやすいため、ここを重点的に注意し、保管しましょう。
クリーニングでテカリは解消できる?
スーツのテカリは、上述のような毎日のお手入れにより防ぐことができますが、テカリ解消できない場合はクリーニングに出しましょう。
ただし、ドライクリーニングではテカリは
水洗いしてくれるクリーニング店へ依頼する
スーツのテカリを解消したいのであれば、「水洗いしてくれるクリーニング店へ依頼する」ことをおすすめします。
一般的なクリーニング店ではドライクリーニング(溶剤洗浄)が主流ですが、スーツに残った皮脂や汗などは水洗いのほうが効果的に落とすことができます。
ただし、テカリの原因が、繊維の傷みや変形によるものである場合や、テカリの程度がひどい場合は水洗いでは完全に解消できない可能性があります。
また、すべてのスーツが水洗いに適しているわけではなく、スーツの素材や品質によっては水洗いが適さない場合もあります。
水洗いを依頼する前に、スーツの洗濯表示を確認し、水洗いが可能なものかどうかを確認してから決めましょう。
スーツ水洗いにおすすめの宅配クリーニング2選
洗濯表示を確認し、水洗いが可能であればクリーニング店にウェットクリーニングを依頼するのがおすすめです。
自宅近くにウェットクリーニングを得意とするクリーニング店があればよいのですが、ない場合は宅配クリーニングを利用しましょう。
キレイナ
まずは「キレイナ」です。
キレイナはブランド物や、特殊素材のシミ抜きや補正に特化しており、ブランドや素材、デザインによって洗い方を見極めるオーダークリーニング方式です。
ブランド物だけではなく、ハンドメイド品やノーブランドのものにも対応可能で、実績も多数あります。
水洗いを得意としており、素材へのダメージを最小限にしながらしっかり洗ってくれる、評判の良い宅配クリーニングとなっています。
取り扱い範囲が広く、実績も多数あるのでとてもおすすめです!
衣類1点につき個別で料金が発生する料金形態で、衣類の種類によって料金が定められています。
クリーニング前に見積りを出してもらえるので、しっかりと料金を確認したうえでお願いしましょう。
プラスキューブ
次にご紹介するのはプラスキューブです。
コースとして用意されているのはスーツ限定にはなりますが、水洗いを行ってくれます。
その他の品物については素材に合わせてドライ・ウェットクリーニングが行われます。
プラスキューブはオリジナルの洗濯槽を使用しており、洋服を動かさずに洗いあげるため生地を傷めることなく洗いあげることが可能。
洗濯する際の水洗い用ネットも独自開発しているという徹底ぶりです。
スーツ上下で8,800円、ジャケット単体で4,950円と少々お値段は張りますが、累計20,000着以上の実績をもっているため、安心してお任せができます。
まとめ
スーツのテカリは避けたいもの。原因は摩擦による圧力ですが、テカリは特に肘や膝など、動きの激しい場所に現れやすいです。
それを予防し、発生時には自宅でスチームアイロンを使って解消したり、ブラッシングやメラミンスポンジ処理、アンモニア水もしくはお酢を使った方法で手入れが可能です。
また、スーツは複数持ってローテーションを組む、日々のブラッシング、保管時の詰め込まないことがテカリを防ぐ鍵です。
クリーニングは、水洗いに対応している店と宅配クリーニングを利用することでテカリを改善する手助けになります。
スーツを長く愛用するためにも、これらのケア方法を実践していきましょう。