スーツのカビは取れる?クリーニング料金や応急処置の方法も解説

大切なスーツを長く着用するためには、日々のお手入れが欠かせません。

特に厄介なのが湿度が高い季節や保管場所によるスーツのカビ発生です。

カビが生えたスーツは、ただ見た目が悪いだけではなく、素材を傷めるため、すぐに対処する必要があります。

この記事では、カビの生える原因から、対処法、そして予防策まで詳しくご紹介します。

また、ウールやシルク、リネンなどの素材によってカビが発生しやすい特殊なケースも解説します。

自宅で出来る応急処置から、正しいクリーニング店の選び方、さらにはカビを防止する予防策まで、スーツを長持ちさせるための情報満載です。

この記事を読むことで、スーツに発生したカビと適切に対処する知識が身につき、お気に入りのスーツを長くキレイに保つことが可能になるでしょう。

カビの心配から解放され、スーツライフをより楽しむために、ぜひご一読ください。

スーツのカビクリーニングについて知ろう

おしゃれなスーツを纏うためには、適切なクリーニングが欠かせません。

特にカビはスーツの大敵で、見た目だけでなく素材も傷つけてしまいます。

それでは、どのように対策すればよいのでしょうか。

本記事では、スーツへのカビ発生原因から始め、ウールスーツ、シルクスーツ、リネンスーツといった特殊なケースについてまとめています。

スーツにカビが生える原因

スーツにカビが生えてしまうのは、主に湿度や温度の高い状況が続き、保管状態が悪いことが原因です。

これは、日本の梅雨時や夏季が極めて条件に当てはまるため、特に注意が必要です。

加えて、スーツの汗や皮脂もカビを引き寄せます。

一日着用した後の通気性を確保し忘れた場合、汗などの湿気がそのままスーツに滞留し、カビのエサになるのです。

また、汚れや汗を放置したまま長期間保管すると、これまたカビ発生のリスクが高まります。

カビが発生し始めると、その黒色や緑色の斑点が目立つようになるだけでなく、健康にも影響を及ぼします。

カビのスポア（胞子）を吸い込むと、呼吸器に症状を引き起こすこともあります。

まさに、スーツだけでなく健康にも悪影響を及ぼす厄介者なのです…

これからスーツのカビを予防するためには、適切な保管と定期的なクリーニングが欠かせません。

またカビ具合やスーツの素材によっては、専門のクリーニング店に任せることも一つの手段です。

特殊なケース：カビが発生しやすい素材のスーツ

スーツの素材によっては、カビが生えやすくなることもあります。

ウール、シルク、リネンといった素材はそれぞれ特性が異なり、カビの発生リスクも変化します。

それぞれについて詳しく解説します。

ウールスーツ

スーツ生地の代表格であるウール（羊毛）。ウールスーツは保温性が高く、肌触りも良い素材です。

しかし、その保温性ゆえに湿度を逃しにくく、カビが生えやすいというデメリットも。

さらにウール本来の弾力性がカビによって損ねられ、着心地が悪くなることもあります。

ウールスーツをカビから守るためには、毎日のお手入れが欠かせません。

日常的に気をつけることとしては、一日着た後は必ず風通しを良くしてみましょう。

これにより湿気を逃がすことができ、カビのエサとなる汗や皮脂を減らすことができます。

シルクスーツ

シルクスーツは滑らかな肌触りと上品な光沢が特徴で、特別な日のために選びたい一着と言えるでしょう。

しかし、そのデリケートな素材はカビに弱く、特に気をつけておきたいポイントになります。

シルクスーツのカビ対策としては、まず保管方法が重要です。シルクは日光が大敵で、カビだけでなく色あせの原因にもなります。

そのため、直射日光を避けて保管し、風通しの良い場所を選びましょう。

また、クリーニングはドライクリーニングが基本となります。水洗いをするとシワや縮みの原因となるため避けてください。

リネンスーツ

夏に涼しげな雰囲気を纏いたいときには、リネンスーツがおすすめです。

その天然素材のリネンは吸湿発散性が高く、湿気を放出する効果があります。しかし、その吸湿性がカビの発生に繋がることもあります。

リネンスーツのカビ対策は、保管状態の保全が最も大切です。

湿気を避け、風通しの良い箇所での保管がおすすめです。また、保管の際には防虫剤や防カビ剤を利用しましょう。

一方で、クリーニングは自宅でも可能ですが、シワがでやすい素材でもあるため、アイロンがけを怠らないようにしましょう。

自宅でできる応急処置

あなたの大事な服が、思いがけなくカビに冒されたとき、どうしますか？

一瞬、あきらめかけるかもしれません。でも大丈夫、自宅でできる簡単な応急処置があるんです。

手元のものを使って、自分でカビを落としましょう。ささっと取りかかってしまうのが鍵です。

白カビの落とし方

白カビは比較的浅い層に浸透するため、早期対策でキレイに落とすことが可能です。

まず白カビが発見されたら、それ以上広がらないようにはたいて落としましょう。

洋服ブラシで優しくこするとほこりや汚れも一緒に落とせるので、おすすめです。

カビをサッと落としたら、次のどちらかの方法で対処していきましょう。

ぬるま湯＆アイロンで落とす

カビは高温に弱いため、アイロンの熱を使って対処します。

まず40℃くらいのぬるま湯に中性洗剤を少量入れ、布に染みこませたら、その布を使ってカビが発生した部分を軽くたたくように拭き取ります。

この時、力を入れすぎず優しく拭き取ることがポイントです。繊維が傷ついてしまうと新たなカビの原因になりかねません。

洗剤を使用した後は、その部分が石鹸カスで固まらないように、良く水洗いを行ってください。

水洗いできない素材の場合は念入りにタオルで拭き取ります。

その後、あて布をしてアイロンをかけましょう。

アルコールでカビを撃退

次に、アルコールを使用する方法です。

消毒用のアルコールを使えば、簡単にカビを取り除くことができます。

まずは白カビを落とすために、歯ブラシに消毒用アルコールをつけます。

そして、軽くたたくようにしてカビの生えていた箇所を清掃します。

カビを落とした後は、ドライヤーを使って乾燥させます。ただし、ドライヤーを近づけすぎると生地が傷む可能性がありますので、20cmほどの距離を保つようにしましょう。

黒カビの落とし方

黒カビは漂白剤を使用して落としていきます。

黒カビは落ちにくいため、漂白剤を使う必要がありますが、スーツの生地を傷める可能性もありますので注意が必要です。

まず初めに、スーツの目立たない場所で漂白剤を試してから実践しましょう。

漂白剤を利用して黒カビを落とす

40℃ほどのお湯に漂白剤を溶かし、タオルを浸してからしっかりと絞ります。

その後、スーツのカビを軽くたたきながら取り除いていきます。

ただし、同じ場所を何度もたたくと生地にダメージを与えてしまうので注意しましょう。

漂白剤でカビが落とせたら、今度はタオルを水で絞り、同じ場所を軽くたたいていきます。

カビの生えていた箇所に漂白剤が残っていると、生地にダメージを与えてしまう可能性がありますので、しっかりと漂白剤を取り除くようにしましょう。

最後に、カビの生えていた箇所をドライヤーで乾燥させます。

カビを防止するための4つの予防策

応急処置の方法をお伝えしてきましたが、そもそもカビが発生しないように予防策をとることが一番大切です。

日頃から心がけることで、カビから大切な洋服を守りましょう。

1.ブラッシングして汚れを取り除く

洋服は帰宅したら、ブラッシングを心がけて汚れを取り除きましょう。

外から帰ってきた洋服には、目に見えないほどの細かい汚れや菌がついています。

これをそのままにしておくと、湿度の高い日や、風通しの悪い場所でカビの原因となります。

ブラシは静電気防止加工があるとよりスムーズにほこりが取れます。

2.しっかり乾燥させてからしまう

洗濯物を干すとき、部屋干しはカビ発生のリスクが高まります。

天気のいい日は外で、しっかりと洗濯物を乾燥させましょう。

天気の悪い日でも乾燥機を使用したり、ヒーターや換気扇の前に置くなど、湿った状態でしまわないことが大切です。

3.クローゼットの湿気対策

クローゼットの中は意外と湿度が高くなりがちなので、カビを防ぐためには、湿気と戦うことが必須です。

クローゼットの中に、ぎゅうぎゅうに服を詰め込んだりはしていませんか？

服を詰め込み過ぎると湿気が溜まりやすいため、適度に間隔をあけて収納しましょう。

閉めっぱなしにせず、時々クローゼットを開けて風通しを良くすることも必要です。

また、湿度計を設置して管理するのも一つですし、カビ防止剤や防湿剤を使って湿度をコントロールするのもおすすめです。

4.ビニールカバーははずして保管

クリーニングに出した衣類には、必ずと言っていいほどビニールカバーがついていますよね。

そのビニールカバー、入れたまま洋服を保管すると中の湿度が上がりカビの原因になります。

クリーニングから帰ってきた洋服をそのまま収納してしまう、という方もいらっしゃるかもしれませんが、それはNG！

袋をかけておきたいなら、ビニール袋から出して、布カバーや不織布カバーを利用しましょう。

スーツにカビが生えてしまたら、必ずクリーニングへ！

大事なスーツにカビが生えてしまったら、できるだけ早くクリーニングに出すことをおすすめします。

自宅でできるのは応急処置だけ。

自宅での洗濯ではカビの根元まで落とすのが難しい上に、擦り過ぎてスーツの生地を傷つけてしまう可能性があるため、プロにお願いしましょう。

スーツのカビ取りの料金相場

クリーニング店にお願いする場合、気になるのは料金です。

ここでは、スーツのカビ取りにかかる平均的な料金をご紹介します。

まず、通常のスーツのクリーニング料金は、大体1,500円～2,000円程度が目安となります。

しかし、カビが発生してしまっている場合はそれに対する特別な処理が必要となるため、追加料金が発生します。

具体的な金額としては、カビ取り料金が大体1,000円～2,000円程度、スーツの素材によっては剥がれたカビの色素を抜く「色抜き」が必要な場合もあり、その場合はさらに500円～1,000円程度の追加料金が発生します。

これを考慮して、大体3,000円から5,000円程度が一般的な相場となります。

保管付きクリーニングもおすすめ

最後に、保管付きクリーニングについてもご紹介します。

保管付きクリーニングとは、その名の通りクリーニング後にお店が一定期間保管してくれるサービスのこと。

シーズンオフの衣類を保管する際などに非常に便利です。

特にスーツのように取り扱いが難しい衣類は、プロに任せてしまえば安心ですし、カビの心配も減ります。

値段は通常のクリーニング料金にプラスして、保管料が加算される形になりますが、その代わりに自宅でのスペースを取らずに済みますし、上手に活用すれば衣類管理がラクになりますよ。

カビの最大の敵は湿気です。

自宅で応急処置は可能ですが、一度カビが生えたスーツは、早急にプロのクリーニング業者へ依頼しましょう。

確実なカビ取りと、今後の保管方法を考えれば、保管付き宅配クリーニングを利用するのもおすすめです。

いつも清潔なスーツを保つためにも、これらの情報をぜひ参考にしてください。